【無駄に語る#1】VOX VX Iと限定版がいつまでも売れ残っていたことについて

IMG_3627.JPG

VOX VX Iについてはこちらで以前レビューしたのですが、省いてコンパクトにまとめているため今回はその補足みたいなものと思ってください。


 ―― 目次 ――


音はいいのに失敗作?


卓上サイズでしか出ないようなプラ製をあえて採用しギターアンプではまず見ないバスレフを付けるという仕様で、VOXさんとしてはかなり挑戦したギターアンプだと思います。
しかしながら発売後1年経っても限定版が売れ残っている…。発売から2年以上経ってようやく在庫が尽きてきたようです。

音質も使い勝手もよく私のアンプの使い方にかなりマッチしていて、みんなもこういうアンプが欲しかったんじゃないのというスペックだったのですがなぜそこまで人気がなかったんだろうか…。
よく考えるとカタログ上では分からず実際に使ってみないと分からない部分が多いんですよね。
そのポイントについてちょっと見ていきましょう。

アンプモデリング


ここをいちばんの売りにしているようですがYouTubeで聴くだけで他のものとの違いはよく分からない。
動画内ではまぁそんなもんでしょと思う部分なのですが、実際に音を鳴らしてもよく分からない。
マルチエフェクターのG3で似た音を作ることもできてしまいます。

じゃあどこが違うのさと違いを探ってみると、つまみを回した時の変化具合いはVXの方が不自然さが少ないんですよね。
特にゲインが分かりやすく、フルアップから徐々に下げていくとG3の方ではいつまでも歪みのジャリジャリ、ジョリジョリした感じが残って完全なクリーンになるまで下げないとエフェクター臭さが出てしまいます。
VXでは処理が変わったと感じるポイントがあり不自然は不自然なのですが、歪みの感じが変わるようになっているようで各モデリングでフルアップからクリーンまで使いやすいものとなっています。

デジタルアンプでは歪みはMarshall、クリーンはFenderのようにモデリングを変えて使い分け。
ものとしての評価は音作りでどうかよりもモデリング機種やその数で判断される傾向があるので、需要がピンポイントすぎたのかもしれませんね。

もう一つ見ておきたいのがモデリング数で11個と数字だけ見れば多いように感じるのですが、同じVOXから出ているVTシリーズの33個からすると少なく感じたり、JC-120のモデリングがないことからRolandのCUBEシリーズに流れてしまったのでしょう。

ヘッドフォンアウトのキャビネットシミュレーター


このヘッドフォンアウトがよく出来ていて、アンプから出した音とヘッドホンから出た音を聴き比べてみると音の広がりはともかく音はほぼ疎遠ないものとなっています。
アンプでの音出しから夜になってからのヘッドホン練習に切り替えても音があまり変わらないので練習が捗りますね。私は常時ヘッドホンなことが多いのですが(

他のアンプと比べてどうなのかデジタルアンプに関しては今のところこれしか弾いたことがないので判断はできません。
キャビネットシミュレーターのないアンプではペラペラした感じになってしまうので、あるのとないのとでの差は大きくなります。

バスレフ


これがいいようでなくてもいいかもしれない微妙に感じる部分かもしれません。
これが本領を発揮するのはボリュームをガツンと上げてから。本当に小さな音でしか使わないのであれば効果は分かりにくいものです。

音量が大きければ大きいほど効果が出るのですが、音量が大きくなりすぎるとギターアンプ本体が共振してバリバリいう音が加わるので、バスレフを最大限に生かせる音量は最大出力よりも低い音量に留まります。
これがどうなのか考えると微妙と言わざるを得ない気がします。
バスレフの効果を見る時はSL-ODというSoldanoのモデリングに切り替えると分かりやすいかと思います。

形はギターアンプ、使い方はマルチエフェクター


他のデジタルアンプとは違い特殊な部分があるらしく

  • プリセット切り替え後は、パネル上のつまみの位置に関係なくプリセット内に保存された情報が優先される。

  • 回したつまみの情報を保存しないまま電源を切ると、変更の適用されていない前回使用したプリセットから始まる。

  • Presetモード内の初期プリセットは上書き保存ができないため、上記を踏まえると事あるごとにパラメーターが元に戻されてしまう。

  • ので、あらかじめユーザープリセットに使う音を作っておくのが無難です。

    まだ使う音が定まっていない場合は、とりあえずユーザープリセットにGain、Treble、Bass、Volumeを全部真ん中、Modulation、Deray/Reverbはオフにしたものを登録しておきましょう。
    覚えやすいつまみ位置にしておくことで意図しない設定になってしまうことは避けられます。
    後はここから徐々に設定をいじって電源を切る前に保存していけばいいので楽になるかと思います。

    とにかく軽い


    アンプの持ち運びを前提とすると、10~15Wの自宅練習向けアンプって割と重めのものもあったりするので泣く泣く卓上サイズアンプを選ぶしかなかったりします。
    VXは小型コンボアンプサイズでありながらプラ製で軽いので女性の方でも難なく運べます。
    模様替えをよくする人や自室以外でも練習したい人におすすめです。
    使い方としては特殊ですが机や棚の上に置いても家具へのダメージが少ないので安心です。

    まとめ


    低価格帯アンプといえばPATHFINDER 10があります。このアンプの発売前はこちらの購入も考えていました。
    アンプ単体で済ませたいヘッドホン練習でも使えるしっかりしたものが欲しい場合にわずか2,500円程度の上乗せでVX Iが買えてしまうのは嬉しいですね。
    歪みエフェクターを買って、シールドももう1本。パワーサプライも必要になるのかー。と後々買うことを考えると差額2,500円は安いものです。
    初心者でもそこそこ扱いやすいアンプではあるのですが、どちらかと言うと玄人好みのアンプなのかもしれません。

    この記事へのコメント